オッ！オッ！オッ！　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

クシャミが連発して困っている。花粉症かな。左側の鼻腔の奥がこそばゆくてかなわぬ。クシャミの途端はエエ気持ちだ。しかし、スカッ！とは瞬時のことで、その後はモゾモゾするばかり。出かかったのが気合不足で引っ込んだりするとケジメがつかなくて困る。こそばゆさを整えなおし再度スタートラインに立つが、これがまた不発に終わったりするともうだめた。イライラが突き当たって折れ曲がる。鼻先は赤くなるし、目玉をひんむいて鼻をモゴモゴ。南無三、クシャミの突出はかりがたし。インフルエンザのハシリかと思ったりするが尋常ではない。この杉花粉どこから飛来したのだろう。空の雲行きを観ると上空は北東の風。紀州熊野の山奥をいで、関西空港の上空を飛行し、めでたく我が鼻腔中に着陸したか。まさか鼻腔内に営林するつもりはなかろうが、こりゃたまらん。世の中に不合理、数々あるとはいうものの、鼻と花とは違いますぞ。　　　　　　　　　　　

あぁ恋の春、　　　　　　

生涯の伴侶たる雌しべを求めて飛び立ったる花粉一粒。我が鼻腔に来る。

窮鳥ふところに入れば猟師もこれを撃たずという。花粉、鼻腔（ビク？）に入れば釣り師もこれを許す。出かかったクシャミ我慢すべし。　

オッ、オッ、オッ、 ヘェークション！！

　

　◇　　◇　　◇

明石海峡大橋の愛称がパール・ブリッジに決まったそうだ。さっそく反対があって、パールは伊勢志摩のイメージだとか、「明石」の名を消すのは残念だとか、いろいろあるらしい。実は私もパール・ブリッジには反対である。神戸市の観光交流課が決めたそうだが、新聞の報ずるところによるとコメントは、「この橋が神戸市に架かっていることをご存じない方もあるようだから」とのことだったとか。明石市民は怒りますよ。現に怒っております。関係市町村の事前打合せはなかったのだろうか。橋はいったいだれのもの？　もし神戸市が勝手に決めたのなら勇み足ではないかしら。愛称ごときでと言うなかれ。こんなことにまでお役所が首を突っ込むのは僣越ではないか。こういう場合には嬉しくなりなさいとか、ああいう場合には哀しくなりなさいとか、人間の感情のあり方にまでお役所が立ち入るようでおもしろくない。お上は、橋を架けるだけでよいではないか。どうしても名が付けたければ明石海峡に架かる橋だから明石大橋とでもしておけばよろしい。愛称は急がずともそのうち自然に決まるから。　　

岡山と香川を結ぶ橋は瀬戸大橋。鳴門海峡のは鳴門大橋。なんで明石海峡のが明石大橋でなくてパール・ブリッジになるの。世界に通用する愛称をというけれど、明石海峡の名は全世界に通用いたします。世界中の海図にしっかりと書き込まれておりますよ。

　

　◇　　◇　　◇

先日東京のボートショーを見学した。会場は東京ビックサイト。隅田川と荒川の河口中間の埋め立て地だ。真南の多摩川河口に羽田空港を望む位置だ。豪華ボートがところ狭しと展示してあった。小型艇でも値は３ナンバーの乗用車ほどはする。

豪華艇はおして知るべし。売値の桁は尻から数え上げるに暇がかかる。分かった途端に気絶する。

昔、幸田露伴は、　　　　

「餌料は高価なるもむしろ有効無疑なるを用ふべし」と言った。

ちょろこい、ちょろこい。

今時、餌代ごときで驚くものか。

「財を論ぜざれ、釣して遊ぶは財を費やすのことたり」とも言った。

彼は、利根川でスズキを釣るのに、船頭にギイコギイコ櫓を漕がせてねらいのカシへ向った。今なら、高出力のエンジンでぶっ飛ばすところだ。　　　　　　

“財を論ぜざれ、財を論ぜざれ”論じてもかいなき我。あぁ“財を論ぜざれ”

　オッ！